高融点活性金属であるチタン、チタン合金用に当社が初めて実用化したIAP(Induction Melting Gas Atomizing
Process)法では、るつぼを使用しないため溶湯が容器と接触することがなく、汚染がありません。また、急冷凝固によるため、微細組織を有する球状の粉末が得られます。
この方法により製造される低酸素チタン粉末(Titanium Low Oxygen Powder :
登録商標TILOP)は、形が球状であることから、流動性が良く液晶用ターゲットの原料や金属射出成型(MIM)用原料として使用されています。
またTILOPは、最近話題を集めている3Dプリンターとの相性も良く、航空機部品や医療部品を製造するための原料としての広がりが期待されています。
ガスアトマイズ法で、Ti-6Al-4Vの粉末を新たに開発いたしました。
プレミックスアトマイズという、弊社独自の製法から個々の粒子の間には、成分の比率に若干の濃度差を生じます。
各粉末粒子は急冷凝固によるα相+β相の合金組織になっています。(Fig.1)
しかし、それぞれが合金化しており、素粉末混合における混合状態に比べ、均一性は、はるかに良好となります。 (Fig2.にTILOP64断面のEPMA写真例を示します。各元素の濃度を定性的に示しています。 赤い部分が高濃度、青い部分が低濃度を示しています。)
TILOP64の品質は、前述の通り個々の粒子間には、わずかに濃度差を生じますが、 マクロ的には主成分であるAlとV濃度はもとより、他のいずれの成分もASTM grade 5.の規格を満たすものとなっています。 Table1に分析例を示します。
[mass %] | ||||||
Al | V | Fe | C | O | ||
ASTM Gr.5 | 5.50 〜 6.75 | 3.5 〜 4.5 | <0.40 | <0.08 | - | |
TILOP64-45 | Ave. | 6.05 | 3.85 | 0.13 | 0.02 | 0.16 |
TILOP64-150 | Ave. | 6.09 | 3.87 | 0.11 | 0.02 | 0.12 |
(*TILOP64は、Ti-6Al-4V合金粉末を示す規格名です。
後の数字は粒度を示し、-45:45μm以下、-150:150μm以下であることを示しています。)
また、TILOP64 の粒度分布は比較的ブロードでTILOP64 -45 の平均粒径は 25μm 程度となっています。 Fig3.に粒度分布測定例を示します。
粉 末 | 用 途 |
TILOP | 積層造形(AM)、金属粉末射出成形(MIM)、溶射、スパッタリングターゲット |
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