─ 人材育成について
エンジニアは専門的な知識と技術が必要なので、社員教育には力を入れています。新入社員教育はOJTを3年間行い、年齢の近い先輩社員がマンツーマンで指導とサポートをします。単に目の前の業務について教えるのではなく、期間ごとに目標を設定して、プランに沿って成長していけるように教育していることが特長です。
指導員だけでなく、より経験のある上司がバックアップしているので、指導員によって成長の差があまり出ない体制になっています。
学生時代に勉強したことは仕事をするうえでの基礎にはなりますが、直接リンクすることはほとんどないので、現場でどれだけ学べるかが重要です。自分の経験を振り返ると、一通りの仕事を覚えるのに3年くらいかかりました。
会社全体で教育制度が整っているので、新入社員は安心して仕事に取り組めます。また、私は入社した時、ビジネスマナーや仕事の進め方もよく分かっていなくて、最初の集合研修でビジネスパーソンとしての基本を学べたことも役立ちました。
指導する側の意見としては、経験に応じた指導をすることを重視しています。永野君が言ったように、最初は“報連相”の徹底など仕事をするうえでの基本からはじめ、少しずつ任せる内容を広げていくようにしています。そして、だんだん自分の意見が出てくるようになったら、まずは相手の意見を聞いて、論理的に取り組めるようにサポートしています。
若手の意見も聞いてもらえる関係が根づいていることは、OTCの特色ですね。指導員だけでなく、まわりの先輩方も親身になってアドバイスしてくださるので心強いです。
先輩や上司からも「分からないことはないか?」と、声をかけてもらえるんですよね。そうすると、気にかけてもらっているんだという安心感を持てるんです。
私は、自分が新人だった頃に感じた疑問や、こんな知識がほしいと思ったことを思い出しながら指導をするように心がけています。例えば、大学での研究と会社での研究は目的も取り組み方もまったく異なり、そのギャップに戸惑ったことがありました。こうしたことを最初に理解することで、その後の吸収力が大きく変わってくるんです。また、こちらが一方的に教えても身につかないので、自分で考えるプロセスを重視して、論理的なアプローチを組み立てられるようにしています。
その辺りは久野さんに鍛えていただきました(笑)。おかげでエンジニアとして成長できたので、私も後輩を指導することになれば久野さんを見習いたいと思っています。
当社は、さまざまな研修や学会への参加、大学・企業との交流も積極的に行っています。どんなに優れた技術力を持っていても、外でどんな研究・開発が行われているのかを知ることは、レベルアップだけでなくモチベーションアップにおいても大切です。
入社して間もない頃、工場実習を行いました。実際に製造現場を体験したことで、改善策を考える際には製造現場のことを意識するようになりました。
社員のためになることであれば、基本的に受け入れていただけますよね。私はシリコン系電池の開発をはじめた時、専門的な知識がなかったので、勉強会を開いてグループ員同士で学び合いました。そのおかげで、材料合成に関する知識が飛躍的に向上しました。
私は経営的な視点を身につけたいと思い、社外のビジネススクールを受講しました。そして、開発においても数字を意識することの重要性を改めて認識することができました。こうしたスキルアップ支援は、かなり手厚いと思います。